対象地は、間口2.5m、約45坪の旗竿状の土地です。建築基準法では、接道義務(建築物の敷地は4m以上の道路に間口2m以上が接すること)と、一敷地一建物の原則(1つの敷地には1つの建物が建てられる)が規定されています。したがって、間口2.5mの対象地では2分割しても、建物2棟は建てられません。そこで、長屋(1つの建物ですが、複数の世帯が入居でき、各戸ごとに区分所有登記も可能)を建てて、建物は区分所有登記、土地は共有し、各々が所有する形態とすることなど、様々な方法が考えられます。一方、共有地上の区分所有建物(長屋の一区画)は不動産市場でどのような価値が形成されるのか、が問題となります。すなわち、このような不動産は、処分、管理、登記、担保適格性などの面がネックとなって、一般的な戸建住宅やマンション(建物は区分所有登記、土地は敷地権)とは違って、特殊な物件となるため、市場競争力が低くなってしまいます。さて、このような課題をもった本件、どのように解決策を導くか、これから検討します。